デラウェア州LLCの本店所在地の記載問題

アメリカ合衆国は連邦法と州法があり、会社の設立は設立準拠地の州法に基づくことになります。設立準拠法のある州で設立し、設立州外で営業する場合は、営業する州においても登記する必要があります。準拠法としてポピュラーなのがデラウェア州の会社法で、デラウェア州で設立後、カリフォルニア州にて営業を行う場合は、カリフォルニア州でも登記する必要がある、ということになります。この場合、カリフォルニア州では“Foreign”として登記されます。デラウェア州内では、州内で設立された会社ですので、“Domestic”と分類されます。

本店所在地の記載で問題となるのは、デラウェア州で設立されたデラウェア州にDomesticの登記しかないLLCです。デラウェア州のLLCの登記事項はRegistered addressのみでPrincipal place of businessを通常は登記しません。そうすると、Principal place of businessを公的な書類によって証明することが難しくなります。

(Registered addressとPrincipal place of businessの違いについてはこちらの記事をご参照ください。本店が二つ?Registered officeとPrincipal place of business

一方で、同じデラウェア州で設立されたLLCでも他州にPrincipal place of businessを置いている場合は、その州でも登記をする必要性があることから、その州の登記事項証明書等にPrincipal place of businessの表示がされていることが多く、公的な書類によってそのPrincipal place of businessを証明することが可能です。

例えば、Google。Google LLCはデラウェア州法のLLCです。Googleは通称Googleplexと呼ばれる本社をカリフォルニア州のマウンテンビューに置いていることは有名な話です。カリフォルニア州での登記を確認すると、そこには、Principal officeとしてこのマウンテンビューの住所が登録されています。他方、デラウェア州ではRegistered agentのaddressしか登記されていません。

宣誓供述書で解決すればよいのでは?と思われるかもしれません。宣誓供述書は本人(法人代表者)が関与することによって初めて準備ができる書類で、本人が関与できなくなった場合にその存在を証明することができなくなってしまいます。現実に、某デラウェア州LLC解散清算結了登記後に日本に於いて清算されていない不動産の存在が判明し、その不動産登記にはPrincipal placeが使われていたようで、公的な書類によってそのLLCが所有していたことを証明できなくなったケースを見たことがあります。

通常のビジネスや契約はPrincipal place of businessを使ってされていることも多く、悩ましい問題です。

デラウェア州LLCの代表者の確認方法についての記事もご参照ください。

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