Google LLC社とMicrosoft Corporation社 日本における代表者の登記を司法書士観点で徒然なるままに

GoogleとMicrosoft 日本における代表者の登記を司法書士観点で徒然なるままに

 

驚きの令和4年6月24 日付法務省民商第307 号通知

Google LLCとMicrosoft Corporationの日本における代表者選任の登記が完了していた。この登記は、日経新聞を始めニュースにもなったので、削除請求をしている弁護士の先生方以外でも興味のある方は多かったと思う。とりわけ司法書士、なかでも渉外登記をこれまでやってきた司法書士にしてみれば、これらのUS IT大手の外国会社の登記直前に、何の前触れもなく、何の脈略もなく令和4年6月24 日付法務省民商第307 号通知がなされたものだったので、いったいどんな登記がされたのか、登記完了後に登記情報にアクセスした司法書士は多かったのではないだろうか。当職はそのうちの1名である。

Google社 とMicrosoft社。外国会社の登記的には、前者はLLCであるため合同会社類似、後者はCorporationであるため株式会社類似となる。よって2社の登記が異なっているのは当然ではあるが、司法書士としては気になることが何点か。

2社とも営業所設置ではなく、代表者選任の登記であった。これは感覚的には珍しく、営業所設置のほうが一般的であると思われるが、PE認定回避など、表に出ない話があるのだろうと推測。

商号

Google社はローマ字表記、Microsoft社はカタカナであった。登記申請はどちらを選択するも可。

本店

Google社は、設立準拠法はデラウェア州、主たる事務所地はカリフォルニア州のところ、日本での登記はデラウェアのRegistered addressを使ってある。Microsoft社は、設立準拠地と主たる事務所地が同じワシントン州であり、Registered addressではなく主たる事務所住所を使って本店の登記がされている。

会社設立の準拠法

Google社は「アメリカ合衆国デラウェア州一般会社法」、Microsoft社は「アメリカ合衆国ワシントン州法」、と登記されていた。違いに気づかれた方もいらっしゃることだと思う。会社法933条2項1号では「外国会社の設立の準拠法」が登記事項とされているので、前者の登記の仕方が正確である。Microsoft社の場合は、設立準拠法であると思われる「WASHINGTON BUSINESS CORPORATION ACT」(の日本語訳)まで記載すべきであっただろう。

役員に関する事項

Google社は合同会社相当の登記が必要であり、かつGoogle社の社員は法人(XXVIホールディングス・インク)であるため、日本の合同会社の場合は、職務執行者の登記が必要なケースである。ちなみにデラウェア州のLLCの場合は、日本のようなMember managed LLCの他に、Managerを選任して経営を任せるManager managed LLCの2つのタイプがある。そしてこれは登記されないので、LLC agreementを見せてもらわないとわからない。

2名の個人の氏名が「職務執行者」として日本でも登記されているが、正直このお二方の関係と、Google社の主たる事務所地であるカリフォルニア州でGoogle社の代表者としては登記されているPichai氏の関係が不明である。これまでカリフォルニアの登記からPichai氏がManager managed LLCのManagerとして選任されているもの、と考えていたが、カリフォルニアと日本の登記、どっちが正しい登記なのだろう。もしくは両方とも正確だよ、という答えをお持ちの方はぜひ根拠を教えてください。

Microsoft社は、株式会社相当の登記が必要であり、執行役及び取締役の登記がされていることから委員会設置会社タイプである。取締役会設置会社である旨、委員会設置会社である旨の登記は省略されているようである。Microsoft社は、ワシントン州においても280人!も役員の登記をしていることから、この中から日本で登記している20名程度に絞るのは大変だっただろう。取捨選択した基準は気になるところである。そして、今後本国で変更がある度にこの役員変更登記を日本でもやっていくのもまた大変である。本国の人たちは日本にまで変更の連絡するのを失念しやすいのだ。

日本における代表者

今回の通達の箇所。Google社は、法人であった。日本法人。Microsoft社は個人であったが、弁護士さんで、その住所は弁護士事務所地でした。両社とも今回の通達を活用されていた。

 

 

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