Google LLCの成りすましによる虚偽登記にどうやって気づいたか

Google LLCの成りすましによる虚偽登記

Google LLCの登記簿謄本販売のページでもお知らせしました点を以下抜粋にてお知らせいたします。

2020年1月29日付けでカリフォルニア州Secretary of State(”SOS”)に登録されているGoogle LLCのStatement of Information(”SOI”)は何者かによる成りすましの登録だったようです。当職は、2020年1月29日付SOIに不審な点を感じ、2020年2月13日にSecretary of State、BE Certification & Records に電話にて不審な点があることを報告しました。同日、Google LLCの法務部に対し、当該SOIのコピーと共に不審な点がある旨を説明するレターを送付し、2020年2月18日(現地日付)受領されました。翌日の2020年2月19日(現地日付)に、成りすましによる登録前と同内容の登録が新たになされています。

当職が不審に思った理由は以下のとおりです。

1. Service of Process Provider

通常小規模な法人を除いては、個人のService of Process Providerを使用せず法人のService of Process Providerを使用していることが多いです。事実前回の2019年11月5日登録分までは法人のProviderが指名されていましたが、2020年1月29日付けの登録では個人のProviderが指名されていました。

2. 個人住所

アメリカの会社登録の場合、日本の役員の登記と異なり、DirectorやManagerが住所を登録する際は、Business Address(=会社の本店所在地)を使用することが多いですが、2020年1月29日付けの登録では個人の住所が使用されていました。そして個人の住所はオーストラリアでした。

3. Service of Process Providerの住所

Service of Process Providerはカリフォルニア州法にて住所をカリフォルニア州に置いておく必要があります。問題の2020年1月29日付けの登録ではService providerの住所はカリフォルニアになっていたのですが、Service providerが役員を兼務しており、2で記載のとおり役員としての住所はオーストラリアになっていました。

4. 申請人の肩書

申請人の肩書は、通常”Secretary” “CFO”、”代理人”等となっていることが多いです。実際にGoogle LLCの場合、2019年11月5日登録分、虚偽登記後の真正な登記である2020年2月19日登録分は、Assistant Secretaryの肩書にて申請されていました。問題の2020年1月29日付けの分は、”Criminal” での申請となっていました。

5. googleした結果

役員として登録された人の名前をgoogleした結果(日本語のググるは、英語の検索するというgoogleという動詞から来ていると承知しています)、Google社と関連を示すような記事やニュースが全くありませんでした。一方で、役員として登録された人物の逮捕歴を示す記事がヒットし、Criminalの肩書と合わせて、誰かがGoogle社の役員に成りすまして申請したのであろうという思いに至りました。

以上の1.から3.までは特に変なものではないですが、すべてをまとめて考えわせると違和感があり、成りすましによる登記であろうと確信するに至りました。

その後は、お知らせに記載のとおり2020年2月13日にSecretary of State、BE Certification & Records に電話にて不審な点があることを報告しました。同日、Google LLCの法務部に対し、当該SOIのコピーと共に不審な点がある旨を説明するレターを送付し、2020年2月18日(現地日付)受領されました。翌日の2020年2月19日(現地日付)に、成りすましによる登録前と同内容の登録が新たになされるに至りました。

当職が扱う証明書類について

外国証明書につきまして、当職はただ取得し、販売するものではありません。アメリカ弁護士資格及び日本の司法書士としての会社・不動産登記及び裁判書類の知識、長年の最大手グローバルローファームでの経験を活かし、用途により記載事項を確認し、証明されている会社との同一性等、設立準拠法上の管轄での登記と、本店所在地の管轄での登記とどちらを取得したほうが依頼者の目的を達成しやすいか、等常に考えて取得し販売しております。

 

 

 

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